昔TVで見たつもりでしたが、ほぼ憶えておらず、本当に観たのかどうか怪しいという、よくあるパターンです。
多作でどんなジャンルもソツなくこなし凡作も多い職人監督ながら、たまにとてもイイ作品があるので油断できないリチャード・フライシャーの代表作のひとつ。
1962年に実際に13人の女性が殺害された“ボストン絞殺魔事件”の映画化です。
登場人物は、絞殺魔を追う検事ヘンリー・フォンダ。
フォンダと同行する刑事ジョージ・ケネディ。
映画が始まって1時間後にようやく登場の絞殺魔トニー・カーティス。
犠牲者の一人に『マッシュ』のサリー・ケラーマンなど。
カーティスは本作の4年前にもドタバタ・コメディ『求婚専科』でフォンダと共演していますが、今作ではもはや二人とも全くの別人。
コメディ作品の印象(声は主に広川太一郎)が強いカーティスは、この役に自ら立候補したらしく、『サイコ』のノーマン・ベイツばりのキャラを演じて好評価。
それに比べると、フォンダの方はそれほどパッとしない印象でした。
興味深かったのはTV『24』でもお馴染みのいわゆるスプリット・スクリーン(分割画面)。
分割画面を効果的に使った作品と言えば、私はまずノーマン・ジュイスン監督の『華麗なる賭け』が思い浮かびますが、本作も負けず劣らず。ということはやはり初見?
どちらが先か調べてみると、この2本なんと同じ年の公開でした。
同じ分割画面でも、本作では同じシーンの別アングルの同時表示があったり、本編中BGMが一切無くドキュメンタリーを思わせるタッチ。
片や『華麗なる~』の方は同時進行に限らず同じ映像の羅列やストップ・モーションなども駆使してミシェル・ルグランの音楽との相乗効果もあり総じてポップ、それぞれの印象はかなりちがいます。。
今年、同じくこの事件を女性記者の視点から描いた『ボストン・キラー 消えた絞殺魔』(出演:キーラ・ナイトレイ他)が公開予定とか。