高野順

絞殺魔の高野順のレビュー・感想・評価

絞殺魔(1968年製作の映画)
4.0
 スプリットの織りなすサスペンス、真っ白な病棟でのサイコスリラー、と見事に前半と後半とで主題が分かれており演出もそれに付随して変化している。同情の余地もないように思われるであろう人物にここまで角度を変えてカメラを置き続け印象を変えてしまう演出に脱帽する。絞殺魔が最後に自分の首を絞めるという所まで目端が効いている丁寧な映画だ。
 狂った速さで車を飛ばすように自身が何処に行き着くか分からないまま眼前に無慈悲に横たわるものに眼を開こうとしていくあの感じには共感と共に胸を打つものがあった。
 
 
高野順

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