ケースのあけすけな言動に最初はハラハラしながら観ていたが、あそこまで自分に正直だと少しうらやましくもなる。
自閉症のケースを温かく見守る両親、兄夫婦。映画全体に温かいものが流れており、会場からの笑い声も温かかった。
ふと、吉野弘さんの詩の一節、「時に疎ましく思うことも許されるほどに世界は緩やかに構成されている」を思い出した。
ケースの一家は比較的に裕福。だが、両親の高齢化は避けられず日本の8050問題ともかぶる。
北欧は日本のように家族ではなく社会がケアの担い手と思っていたが、大きくは変わらないのだろうか。
父が8ミリ好きだったのだろう。まだ若い母、幼い兄弟の映像が切ない。
母のような温かい女性を探し続けるケース。続編にも期待したい。

EUフィルムデーズ2023

前作からの年月を感じさせる親と子。ケースの一人暮らしという流れに安堵するも、ヘルパー？に母親並みの理解と行動を求めるケースに不安を抱いていたら、結果それなりのことになっていた。
ケースに向き合う兄夫婦の存在は大きい（気持ちの面での疲労感は互いに避けられないと思うけれど、老いた両親がいつまでも元気に生きているわけではない）