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ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版のinazumaのレビュー・感想・評価

4.5
「ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023」…11作目🎣

昔このVol.1だけ観て記憶がほとんど吹っ飛びましたがユマサーマンのシーンは鮮明に覚えてました。今回改めて観て爆笑。あそこは珠玉の名シーン。トリアー独特の"気まずい間(ま)"と心地良いテンポ。このシーン単体で笑わせようとしていないところが好感持てます。思いつきで入れたコント的なシーンにはならず、ちゃんと物語全体を通して「そりゃこうなるよね…笑」と、人間の馬鹿馬鹿しさに対して思わず笑ってしまう。物語序盤から頻繁に「数字」が出てきますが、それを引っ張ってか、このシーンでも"人数"が笑いのポイントになってます。「今来ちゃだめ!笑」みたいな。…ただ笑ってると、子どものあるアクションで急に胸を締め付けられたりします。。いつもながら感情をグラグラ揺さぶられてます。このシーン(第3章)はたぶん全体の20分ぐらいですが、いろんなものが凝縮された濃厚なワンシーンでした。

もちろん他のシーンも素晴らしい。記憶飛んでた部分も、「おかしい…何でこんな良いとこを忘れてしまったのだろう」と思わずにいられない。主人公である色情狂の女性ジョー(シャルロット・ゲンズブール)が自信の壮絶な過去を、ユダヤ人のおっさんセリグマン(ステラン・スカルスガルド)に語るというのがあらすじ。セリグマンがおかしくて、ジョーの壮絶な過去に驚愕するのかと思いきや、自信の釣り好きが高じて「君のその行為は、釣りのあの技法まんまだね!」とか「大きい獲物こそ焦っちゃだめだ!釣りにはこういう技があるよん」みたいなことを話の途中にぶっ込んできます笑。しかもジョーの回想映像の中に勝手に川や魚の映像すり込んできます笑。うるせーけど楽しい笑。彼がそんなリアクションするたびにキョトンとするジョーの表情がまた可愛くて良い。
さらに回想映像の中で鳴った音に対して「あの音は悪魔のなんたらかんたら…」と語り出すということも笑。あんた超人か!?

トリアー作品常連俳優がどこで出てくるかという視点で観ても楽しい。大御所枠のデフォーやウドはVol.2までおあずけみたいです。『イディオッツ』『ボス・オブ・イット・オール』のジェンズ・アルビヌスが出てて嬉しい。髪型もちょい変わってダンディーな紳士で登場するも、エラい目に遭います。。『キングダム エクソダス〈脱出〉』のニコラス・ブロも出てますよ!そういえば『キングダム』の映像が一瞬出てきます!どこで出るかはお楽しみ。

主題歌となっているラムシュタインの「Führe Mich」がイカしてる!ドイツのバンドですが知らなんだ!歌詞調べると究極の合体ラブソング(?)でした!他の曲も気になります。
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