以前、『ミツバチのささやき』のポスターの子を映画を観るまでは男の子だと思っていたら女の子だったということがありますが、本作の物語のカギとなる子供は最後まで男の子か女の子か特定できませんでした(女の子だそうです)。
でも、小さな子供特有の性別を超越した可愛さが、人ではない人型AIに合ってた気も。
久々のSF大作なので奮発してドルビーシネマ(プラス600円)にて劇場鑑賞。
ビジュアルはもう『スター・ウォーズ』や『ブレード・ランナー』の世界をゴッチャにした感じで、ギャレス・エドワーズ監督はこれらの作品のドップリマニアであることが歴然。
また日本の漫画やアニメの影響も見受けられ、日本語もチラチラ出てくるし日本びいきなのも歴然。
でも大画面の映像と音響には圧倒されるものの、既視感のある風景とどこかで見たようなデザインのメカばかりであまり新鮮味がないのも事実。
お話もありがちな人類と人工知能の戦争だし、ベースとなるドラマが弱く展開もかなり雑。
ディテールはいろいろと凝っていて、監督のこだわりには好感は持てるんですけどね。
耳に穴が開いた人間型AIロボットは、デザインよりもそれをリアルに表現したCG技術が優れモノで、全編に渡りCGの粗をほとんど感じないのはサスガ。
また、『ナバロンの要塞』や『特攻大作戦』など昔の戦争アクションを思わせるテイストとキャラ造形も同監督の『ローグ・ワン』のノリと同じ。
他に印象的だった点を列挙すると、
AIでも人間みたいに飲み食いするしアイスクリームも好き!
吸着爆弾や走るドラム缶爆弾など爆弾系の描き方がコワイ!
スノー・ウォーカーの登場シーン風に巨大戦車が登場!
たびたび出てくる指名手配の写真のヨコの日本語が「募集中」って?
アルフィーが見てたモノクロのTV番組は『スーパージャイアンツ』?
ハリウッド・ストライキのお題にもなったAIや差別に戦争などの問題がチラチラする割にはどれも扱いが浅いし、終盤で急に強まる主人公とアルフィーの絆も説得力が弱く不自然。
もう少し深掘りして感動があれば、もう1ランク上の作品になった気がします。
役者の皆さんは良かったですね。