「なんでぼくたちは争い合ってるの!?」
中盤の、クラエとブルーオが抱きあうシーンで胸が締めつけられる想いがした。
と同時に、これは大昔の寓話ではなく、現代の話しなのだとこの時理解した。
… 個人的なことだけれど、突然、忘れていた幼少のころの出来事を思い出した。
名古屋市緑区、自分の故郷にとても広大な森が、かつてあった。
かつてあった… というのは、今では「名古屋第二環状自動車道」というものになっていて見る影もないからだ。
でもそこには元々、リスや孔雀などいろんな生き物がいて、幼い自分にその森は様々なことを教えてくれた。
その森が、人間の便利さのために惨めに破壊されていった時、まだ世の中のことをなにも知らず、無謀だったクソガキの自分。
ブルドーザーの前に走っていって制止しようとした自分は、今はどこにいったのだろう。
(この映画を観て、あのときに負ったふくらはぎの火傷の痛さまで感じた気がした。)
… この作品の中でかなり重要な曲として何度も登場する、Milton Nascimento の歌詞に、大事なメッセージが込められていた。
「誰の心の中にも子どもの自分がいる。
大人の心が迷ったとき、その子どもの部分があなたに勇気をくれる。」