先日、日本初上映となるブラジル映画、『デビルクイーン』を観て衝撃を受けたので、なにか他のブラジル映画を… と思い、こちらを。
その共通点は、クイア。
でも、あの『デビルクイーン』が「破滅的」という言葉で言い表せるのならば、この作品は「爽やか」。
思春期の少年・主人公レオが、人に恋するという気持ちを知っていく。けれど彼は目が見えないというハンデを持ち、さらに初めて恋をする相手が同性であるということが同級生たちから奇異の目で見られることになる。
けれど物語をずっと追っていくと、幼馴染みのジョバンナや、レオが恋をするガブリエルが、心からの愛を彼に注ぎ、三人は清々しい友情で繋がっているというのが分かる。
思春期特有の迷い… 葛藤… 苦悩なども描かれるけれど、そこに痛々しさなどは感じさせられることはなく、むしろレオがまっすぐにその壁を(時に苦しみながらでも)乗り越えようとする姿に観ているこちらも勇気をもらう。
また、作品の中に織り込まれる音楽も本作の爽やかさに拍車をかけ、特にラストに流れるベル&セバの曲は、さながら色取り取りなサラダにそっと添えられたミントのよう。