みちゃまる

ペルリンプスと秘密の森のみちゃまるのネタバレレビュー・内容・結末

ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

テクノロジーに長けた太陽の王国のクラエと、精神的な繋がりを大切にする月の王国のブルーオは、秘密エージェントとして巨人によって存在を脅かされている森に派遣されていた。2人の共通目的は森を救うという“ペルリンプス”を見つけること。敵対する王国同士の2人であったが、目的達成のためやむなく協力することになる。

珍しいブラジル産のアニメ。
映像はとても美しく、色合いが好みだった。ポップな絵柄とは反対に扱っているテーマは重く、人間の理不尽な行為によって奪われていく自然や平和。
結局、“ペルリンプス”が何かということは劇中で明らかにはされていない。
光、エネルギーを与える、森を守る唯一の手段、近くにあるようで遠くにあるもの…希望とか想像力、他者との協力とかそういう概念なんだろうか。
巨人=人間だと解釈していたけど、カマドドリのジョアンはかつて巨人であり、ペルリンプスに呼ばれて森に帰ってきた、ということも言っていた。ジョアンは老人であるし、“かつて”巨人だったというなら、人間でも老人は巨人ではないのだろうか。そうなると、巨人=(生産年齢の)人間?いわゆる戦争を積極的にしている年齢層になるのだろうか。
クラエとブルーオも言っていたように、争いの元は割と大したことがなかったりもする。その大したことのないことのために争い、自然を破壊し、動物たちを脅かす。大人になればそういった想像力も失い、現実を知り希望を失くしていく。
人間は知恵を持ち、感情を持ち、技術を持っているのにも関わらずなんと愚かな生き物なのか。
現実社会への警鐘をファンタジックに描いた寓話的作品であると感じた。
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