枚方

原子怪獣現わるの枚方のネタバレレビュー・内容・結末

原子怪獣現わる(1953年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

見た。良かった。

ゴジラの元ネタとも言われる初期怪獣映画。
初期なのだから当たり前なのだが、観客にとっても怪獣映画というものがまだよく分かってないので、当然、怪獣そのものがなんなのかの世界観の説明から丁寧に入る。原子怪獣現るでは、大勢が同時に目撃するのではなく、少人数が個々に目撃する形式のために、目撃者は精神異常を周りから疑われる。そういう細かいけど、当然起こり得る事態の描写の説明からやってくれるのが嬉しい。結局とある古代生物学の博士に怪獣の存在を信じてもらえることで話が進むのだが、あんだけ頑なだった博士が、あんな簡単に掌返しで怪獣の存在を信じ始めたのは納得いかなかった。

怪獣シーンは恐らく人形のコマ撮りで、コストが高いという理由からなのだと思うが、前半はとにかく怪獣シーンが勿体ぶられて少ない。ゴジラ(1954)でもそうだった。これは返っていい効果だと思う。(最近の映画なら怪獣に限らず、せっかく作ったのだからじっくり見てくれと言わんばかりにCGをしつこく見せてくる。)

ラストはあっさりしすぎ。怪獣動かしまくったら疲れちゃったのかな、みたいな終わり方だった。せっかく助手の女性とのラブロマンスがありそうだったのに。

ところでタイトルは「『原子』怪獣」なんだけど、原子力とは何にも関係ないし、水爆実験によって一億年前に怪獣が目覚めたという話なので「『原子』怪獣」が正しいのではないか。
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