真っ黒こげ太郎

ネイビーシールズ ラスト・ソルジャーの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.2
銃弾が飛び交う命懸けの120分―――。

味方ゼロの一人の男に託された緊急Mission―――。

幼い少女と地獄の戦場から脱出せよ!!!!!




2021年、紛争終結直前のアフガニスタン。
現地で活動中のネイビーシールズ・ウォーホース隊に宣教師グループを避難させる救助任務が下る。

しかし、敵軍の襲撃を受けてヘリが撃墜され、ウォーホース隊はミルコ特務曹長一人を残し全滅してしまう。
大量の敵軍に追われ、必死で撤退するミルコ。
どうにか宣教師グループを見つけたミルコだが、宣教師グループも少女ゾーイ一人を除いて全滅していた。

ミルコはゾーイと共に、味方の支援部隊の合流場所を目指す。
果たしてミルコは、ゾーイと共に脱出できるのか!?



一人生き残り敵地で孤立無援となったネイビーシールズ隊員が、救助対象の生き残りである少女と共に敵地からの脱出を図る、ミリタリー・アクション映画。

「ルール 無法都市」「デイライツ・エンド」でガンアクションマニアを歓喜させた、監督…ウィリアム・カウフマン氏&主演…ジョニー・ストロング氏の黄金タッグ最新作!!!
更に今回は、ジョニー・ストロング氏は主演に加え、監督、脚本…その他諸々を担当するという、何時にも増して気合の入った一作だ。


今作は戦場で孤立無援になった軍人が脱出を試みるという、他の有名な戦争アクション映画でも頻繁に描かれているヤツですね。
生き残りの人物を連れて脱出する展開や、その生き残りを守る為に命を張る展開もこれまた王道な展開ですね。
(「ローンサバイバー」とか「エネミーライン」とか、「タイラー・レイク 命の奪還」シリーズとか「コヴェナント/約束の救出」とか)

ストーリー自体は新鮮味は無いですし、恐らくそれらの映画と比べても低予算なのは否めないでしょう。
クライマックスの舞台もオープンセット丸出しだし、爆破シーンもCGやVFXで処理されてるのがぱっと見で分かるし(涙)。


しかし、それでも職人監督カウフマンさん&息ピッタリなジョニーさんのタッグ作だけあって、リアルかつ迫力満点の銃撃戦をタップリ楽しめる、見ごたえあるガンアクション映画に仕上がってました。

のっけから主人公以外全滅(!)し、岩山で緊張感のある銃撃戦&逃亡劇で幕を開け、その後も少女と共に追っ手から逃げながら、銃撃戦やらステルスキルしたりと、リアル重視のキレのあるアクションが展開。
クライマックスでは敵に捕まった少女を救う為に敵地で壮絶ガンファイト!!!

毎度ながら銃撃戦はカウフマンさんお得意のリアル重視&キレのある銃捌きで展開。
響く銃声に着弾、排出される薬莢に、撃たれた側のリアルなリアクション。
主人公のメインウェポンであるサイレンサー付きライフルの銃撃音や、弾薬装填や構え方等の細かい動作もテキパキと描かれている。
クライマックスでは短銃やデカいライフルも駆使しており(例によってなんて名前の銃かは知らない(白目))、山盛りなガンファイトを最初から最後まで盛り上げてくれます。
(敵にナッツショットするシーンでワロタ。w)

ぶっちゃけ自分は銃器に関してはとんと疎いのだが(汗)、それでもリアリティを感じつつキビキビとしたキレ味と迫力を感じられる見事な銃撃戦が炸裂。
ミリオタやガンマニア、サバゲー好きな人達もきっと満足できるでしょう。多分。


話自体は”生き残った孤独な兵士”と”一人ぼっちの孤独な少女”の交流がメインで、これまた子供を守る為に戦うというアクション映画で手垢が付くまで描かれた展開だ。w
(「アジョシ」とか「SAFE セイフ」とか…他にも沢山ありそうw)

しかしまぁ何だかんだでこういう全てを失った男が再び守るものの為に戦う姿はベタとは言えアツいですね。
護衛対象の少女も最初は言う事聞かなそうな感じかと思いきや、ちゃんと聞き分けのいい子で安心。
(まぁ戦地でワガママもへったくれもないからな。)
クライマックス直前の連れ去らわれる展開やラストのオチとかは流石にベタすぎる気もするが、まぁ話が破綻するレベルではないのでいっか。


アクションを阻害しないシンプル・イズ・ベストな内容&ドラマに、リアル志向ながらキレとカッコ良さと迫力を突き詰めた銃撃戦と、今回もカウフマン印&ジョニーさん印の見事なガンアクション映画でした。

ただ、今回は少女との丁寧なドラマを描く場面が多く、その関係で尺が約2時間とやや長めになってしまってるんですよね。
アクションは見ごたえあったし、ドラマも手堅く纏まっているとは言え、流石にこのベタな内容で2時間はちょっと冗長になってしまった感があったので、せめて90~100分台で纏めて欲しかった所。

後、ロケ地や多数の敵役とかで予算が尽きたからか、爆発シーンがぱっと見で分かるようなCG合成やVFXで展開されてるのは残念。
(そもそもの爆破シーンもメチャクチャ少なめ)
ガンアクションに拘るのがメインとはいえど、やはりこういうコマンドアクション映画ではもっと火薬爆破とそれで吹っ飛ぶスタントマンの姿が見たいものだ。


ショボい所や惜しい所はあるが、それでもガンアクション映画としてはかなり楽しめるので、銃撃戦好きな人やドンパチアクション映画ファンは押さえておいて損はないでしょう。
カウフマンさん&ジョニーさんタッグの拘りが詰まりに詰まった、大反撃の銃撃戦を思う存分味わってください。


因みに今回のエンディング曲は「ルール 無法都市」「デイライツ・エンド」と違い、ジョニーさんの生歌は無かったのですが、作曲もガッツリとジョニーさんが手掛けてました。
それ以外にもVFX監修やメイク監修、ロケハン等々、様々なアレコレをジョニーさんが担当していたので、エンドロールでは何度も流れてくるJohnny Strongの名前に注目してみてくださいね。w