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二十歳に還りたい。のnamlif325のレビュー・感想・評価

二十歳に還りたい。(2023年製作の映画)
4.0
「若さ」そのものが「輝き」だった青春時代に、『旧約聖書』のような「神との契約」の重みがつきまとう物語。

教条的な作品が特徴の大川隆法作品にはなかった、宗教の主題である「無償の愛」について、言葉ではなく主人公の選択によって鑑賞者に問いかけて終わっていくラスト。

ヘッセやジッド、シェークスピアといった西洋の古典文学の読後感を胸に残す作品で、1日経った今も、ふとした瞬間に映画のシーンと重なる自分の人生の選択、愛したけど幸せにできなかった人の色んな表情が心に浮かんでは消え、考え込んでしまう。

いまさら戻りたいとは思わないが、これ以外に私の人生はなかったのか。
違う選択をしていたら、今ごろ何をしていたんだろうか。

時代感がごちゃまぜになってる箇所がわざとなのか、演出なのか、、作品の細かい点が気になってしまったが、音楽とシーンも合っていて、古典文学好きとしては大満足です。
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