1980年代のマルタの堅苦しい伝統的社会慣習の中で本当の自分を発見する女性をコミカルに描く。
当時のマルタのカトリック教会は、司祭の姉は弟の世話に生涯を捧げなければならない伝統があったらしい。
主人公のカルメンは司祭である弟の世話をし続け50歳になろうとする頃突然弟が亡くなる。
教育も受けず報酬もなく未婚のまま突然それまでの生活から解放されたカルメンがどうなっていくのか。
序盤はまるで虐げられた女性のドラマのようだったが、徐々に明るくなり、喜びと楽しみを知り、変化していった彼女をコミュニティも受け入れていく。
備品盗難とか告白部屋に籠るとか、いくらなんでもそれはマズいんじゃね?ってこともやっちゃうのでちょっと戸惑ったが、それすらも彼女の人生の変化のポイントになっちゃって。
しかもこれ実際にあったことに基づいてる。
服装も自由に、やりたかったが女性には許されず出来なかったことをする、ほのかなロマンス交えて終わってみれば晴れ晴れした話だった。
過去は過去として、潔く新しい生き方に向かっていくカルメンはどこか清々しい。