このレビューはネタバレを含みます
対照的な冒頭とエンドロール、それによってもたらされるカタルシス!
[冒頭]
狭い画面、モノクロ、バックショット、ジムノペディ、狭い線路を一人で歩く。
[エンドロール]
広い画面、カラー、フロントショット、あの素晴らしい愛をもう一度、広い川を四人で歩く。
カラオケで裕美の歌だけカットされていたのがここに効いてくる演出もいやらしい。
日常の繰り返しを象徴する螺旋階段、人にも物にも天にも宿る八百万のカメラワーク、広末涼子『大スキ!~援助交際募集の音声MIX~』をBGMに友との日常と家族からの愛情を映す性格の悪さ。変態シーンがねっとり長いことだけ超スーパーウルトラベリーバッドだった。
主人公を愚かに感じている中で突如始まる手話や、指輪視点で「キレイ」「別世界みたい」と女子高生たちがのぞき込むシーンが特に印象的。
令和の今になって観ると「世の中のものは必ず終わってしまう」という台詞が強度な現実性を帯びて響く。あと真夏で気温が29度と言っていて気候変動を実感しました。