”バズり”が狂気を呼び覚ます。
予測不能なダークスリラー…
「あなたは特別な子、自分の才能を外の世界に発信するの…」
ポッドキャストで未解決事件の考察を配信する大学生のスージー。
昔からミステリーの犯人当てが得意なスージーはその才能を活かして有名になることを夢見ている。
「難事件や不可解な謎を私が解き明かしてみせる!」
しかし、動画は全くバズらず、フォロワーも一向に増えない…人気者になるどころか、友達さえいない孤独なスージー。
そんなある日、瞑想系YouTuberとして絶大な人気を誇る同級生ジェシー・ウィルコックスが、突如失踪する事件が起きる…
「真相は私が突き止める!」スージーは、ジェシー失踪事件の解決に乗り出す!!
不動産王の息子で多くのフォロワーを持つ人気インフルエンサーの失踪事件を早速“スージー・サーチ”で取り上げる→ミッシング・ジェシーのTシャツを着用→バイト先キャボット食堂ではキモ店長エドガーに褒められたゴミ捨て術を活かし情報収集(片付けをしながら学生たちの話を盗み聞き)→ネットニュースはジェシーの叔父ローレンスに逮捕歴があることを報じる→どこへ行ってもジェシーの話で持ちきり。
仕事中、友人とジェシーの話をするバイト仲間のジリアン→「切ないよね…毎日のように来てヴィーガンバーガー食べてたのに…」→「インタビューは?」→「全国ニュース以外お断りよ!」→「だよね」→「当然っしょ!いとこが全国ニュースになるって言ってた」→“全国ニュース!?”→「死んでるのかな」→「なんかヘコむ~」→スージーは、話に割り込む→「ジェシーには叔父がいて…一年前まで副社長だったけど今は役員ですらない、きっと社長の…」→「ガチのストーカーじゃん…」→何でそんなこと知ってんの、キモっ!と不気味がるジリアン→スージーは宣言する→「私はいつか有名になる!この事件を解決してね!」→「すご~い…そりゃ楽しみだわ(イカれてんな…)」
ウィルコックス家の厄介者ローレンスの人物像を掘り下げる→が、空振りに終わる→“インターネットは広大、何か見つかるはず…”→秘密、異常行動…しらみつぶしに検索結果を当たっていく→気になる情報を発見→ローレンスが所有する複数の不動産が、奇妙なことにどれも異なる法人名義になっていたのだ→中でも目を引いたのが、スターボード社名義の物件だった。
名探偵スージーの推理…
ジェシーを誘拐した犯人はローレンス、その理由は主に3つ。
1.不安定な行動がみられること。
それが原因でジェシーの父親にビジネス上の関係を断たれ、恨みを持っている。
“苦しめるためには、大事な一人息子を奪ってやればいい”
2.治安びん乱行為で何度も逮捕されていること。
“それほどの奇人なら甥っ子を誘拐しても不思議でない”
3.ローレンスが町中に10軒以上の未公開物件を所有していること。
保安官事務所に報告→が、無視される→スージーは、スターボード社名義の物件へ向かう→配信開始→“人けがない場所だけど注意して進むわ!危険があれば引き返すし無理に侵入しない…成功を祈って!”→建物に入る→探索していると地下に降りる扉を発見→扉を開け、階段を降りる→男の足跡→奥にある部屋へと進む…するとそこには目隠しをされ、手足を縛られたジェシーが!!!!
ポッドキャスト配信中に失踪した人気インフルエンサーを発見したことで、スージー自身もインフルエンサーとして一躍脚光を浴びる存在となる→“スージー・サーチ”は大バズり→フォロワーは爆増し、称賛のコメントが寄せられる→“地元の英雄が解決”“救世主・スージー!正義を求めた物語の真相”ニュースも取り上げまくる→ポッドキャストからは感謝状が送られ、誰からも相手にされず透明人間化していたスージーは、一気に超絶人気者となる…
スター街道をひた走るスージーは、新しいリスナーに感謝を述べ、事件解決に一層励むことを約束する。
“これは始まりよ!続きは次回のスージー・サーチで!!”
車で森へ向かうスージー→バックミラーを確認し、車を止める→隠してあった自転車に乗り、森の奥へ→向かった先は古びたコンテナハウス→扉の鍵を開け、中に入る→床に置かれたトランクBOXの鍵を開け、中身を取り出す→ボイスチェンジャー、睡眠薬、ロープ、粘着テープ、目出し帽、ジェシーのオリジナルグッズ“人には優しく”ニットキャップ…→壁のコルクボードには数ヶ月間監視したジェシーの行動が書かれたメモと写真→“ジェシーの行動パターン把握完了”“ローレンスの物件、1つに地下室あり”→スージーはドラム缶にそれらを放り込み、火をつけ、証拠隠滅を図る…
ただ“人には優しく”帽だけは燃やせず、リュックしまうスージー…
世間を震撼させた人気インフルエンサー失踪事件の真相…それはジェシーを監禁し、大騒ぎになったところで自ら救出するというスージーが仕組んだ自作自演の救出劇だった…
学長に呼び出され、ジェシーと一緒に地元ニュース番組のインタビューを受けることになる→発見の経緯を聞かれる→「ニュースで知って…事件の進展がないことにうんざりして…」口ごもるスージー→ジェシーがフォローする→「英雄って、遠い世界の人だと思ってた…でも今、僕は英雄の隣に座っている…」→感動するインタビュアー→ポエマージェシーのおかげで撮れ高は十分とインタビューは終了→初めてのテレビ取材を終え、ホッとするスージーに声をかけるジェシー→「よかったら明日の夜、食事しない?」→「も、もちろん!」
翌日、バイトに出勤したスージーはキモ店長エドガーから称賛れる→「我らがシャーロック・ホームズ!君はこの粗末な店に名誉を与えてくれた!」→「義務を果たしただけっス」→「そのとおり!社会のゴミを一掃するのは我々市民の義務だもんな!」→バイトを終え、約束した店へ向かう→ジェシーは友人たちと食事をしていた→「やあ、スージー。忙しいのによく来てくれたね!」→2人きりだと思っていたスージーはガッカリする→ジェシーはスージーの大ファンだという友人のレイを紹介する→「君の記事読み漁ったよ!質問が山ほどあるんだ!」→「何が聞きたい?」→「今でも不思議なんだけど…どうやって見つけたの?」→「登記簿を調べて…ローレンスの差し押さえられた3軒の不動産を…」→「待って!なんでいつも一字一句同じ説明を?」→レイの鋭い指摘に動揺するスージー→返答に困ったスージーは「もう帰らなきゃ…明日のフランス史の予習が残っていて…」(挙動不審過ぎるだろw)
一人で帰るのは危険だとジェシーはスージーを送る→「いつも君のことばっか考えている…君がいなかったら僕はここにいない」→感謝を伝えるジェシー→スージーのポッドキャストを全て聞いたジェシーはなぜ未解決事件にハマっているのか尋ねる→子供のころから推理小説の真犯人をすぐに言い当てていたスージーは 母から「その才能で有名になれ」と言われ、“スージー・サーチ”のチャンネルを開設→「ママが多発性硬化症を発症してから早く喜ばせたくて必死だった…今の状態を理解してるかわかんないけど…」→「きっと理解してるさ」→スージーは母親の口癖がジェシーの決めゼリフ「人には優しく」だったと教える…
話題の人気インフルエンサーが在籍する大学は入学希望者が300%増加→地元の関心も爆上がり、寄付額も倍増しウハウハな学長→ふたりには全国放送の朝の番組から出演依頼が来る→喜ぶスージー→が、ジェシーは「ちょ、騒ぎすぎじゃね…」→乗り気でないジェシーを学長が説得する→「君は恐ろしい試練を乗り越えた…もしスージーを知って社会を変える英雄が一人でも増えたら?」→「…わかりました」→「旅費は我が校が持つ!そして医学部進学率、州12位の宣伝も忘れずに!」
州当局が総力を挙げ探しているが行方がわからないローレンス→保安官は名探偵スージーに協力を求める→「もちろん協力するわ!」→快く引き受けるスージー→保安官は突然ニュージーランドにいるケアという鳥の話をする→「世界で最も好奇心旺盛で賢い鳥だ。サルよりも知能が高いとすら言われているが、いたずら者でトラブルばかり起こす」→「…何が言いたいの?私がケアだと?」→「…どうだろうな、鳥の本読みすぎかな…」
ジェシーに対する気持ちは憧れから恋愛感情へと変わる→2人は全国放送の収録へ向かう→念願の全国テレビ放送出演、ジェシーと2人きりの旅行…ウキウキのスージー→テレビ収録は楽しくあっという間に終わる→幸せな時間を過ごした2人はホテルでくつろぐ→ベッドに寝転がり、スナックをつまむジェシー→「食べれるって最高だな~」→「?」→「事件以来、しばらく食べれなくなっていたんだ…」→ジェシーは監禁されていた時のことを思い出す→助けを求め、叫ぶジェシーをなだめる犯人…「叫ぶだけ無駄だ!ストレスになるだけ、リラックスして…危害は加えないから、気をしっかり持って…母がよく言ってた“不安を感じたら深呼吸をゆっくり3回して…海のそよ風を想像しなさい”って…」→我に返るジェシー→そこに電話が掛かってくる→「マジかよ…」→「どした?」→「ニュースを…」→スージーはネットニュースを見る。“ローレンスは犯人ではなかった…”
なんとローレンスには、この半年間ペルーに滞在していたという完璧なアリバイがあったのだ…
動揺するジェシー→「叔父さんに謝らないと…」→2人は泊まりをキャンセルし、町へ帰る→ガッカリするスージー→だが、別れ際におやすみのキッスをされ、舞い上がる→“♡♡”→余韻に浸っていると、二階から物音が聞こえてくる→スージーはバットを持ち、二階へ上がる→スージーの部屋は荒らされグチャグチャ→「落ち着いて…泊まりだと思っていた…」→「!?」→振り向くとそこにはレイが立っていた…
初めからスージーを疑っていたレイは、スージーが留守中に家に侵入し、部屋を物色→そこで失踪当時ジェシーが被っていた“人には優しく”帽を発見する→「話し合おう、誰にも言わないよ…」→「返して…」→「君は孤独だっただけで、加害の意図はなかった…」→「帽子返せ!殴るぞ!」→「力になってくれる人を探そう!」→「必要ない!」→スージーはバッドを振りかざす→レイは後退り…そして床に散らばった紙で足を滑らせ、そのまま窓の外へダイブ!!→「ウソでしょ!」
自分がとっ散らかした物に足を滑らせ、二階から転落したレイは、あっさり死んでしまう…
「冷静沈着に…冷静沈着に…」
スージーはレインスーツに着替え、ゴム手袋をはめる。レイの遺体をビニールシートで包み、車に乗せ、町外れにある自殺の名所まで運ぶ。
遺体を川に投げ入れ、レイの死を自殺に見せかけて隠蔽するスージー。
そして証拠が残らないように入念に家中の掃除をする…
まあまあ雑だった隠蔽工作は見事成功、レイの死は自殺としてあっさり処理される→が、納得のいかない人物が1人…それは、ジェシー→実はジェシーとレイは恋人同士で、週末に一周年記念旅行へ行く計画していたのだった→「レストランもホテルも全て彼が予約したんだ…」→「(|| ゜Д゜)」→失恋をし、ショックを受けるスージー→そんなスージーにジェシーは懇願する→「彼は自殺なんかしない。だから犯人を見つけて欲しい!!」
ローレンスの疑いが晴れ、ジェシーを誘拐した真犯人は一体誰なのか?再び報道が過熱する。
そんな中、ジェシーが監禁されていた地下室から犯人の毛髪が見つかる…
窮地に追い込まれるスージー…
そして事態は思わぬ方向へ…
名探偵は自作自演の虚言女ww
SNSに取り憑かれた女子大生がバズることに熱中するあまり、ダークサイドに堕ちていく…現代のSNSカルチャーを鋭く風刺したダークミステリー。
早々に自作自演のネタバラシがされ、ここからどう進む?グダグダになるんじゃね?と思っていたら、とんでもねぇ展開にw
ちょこちょこ挟んでいたペット失踪事件もきっちり伏線回収、スージー大勝利と思いきや…最後の最後でやってもうた…
うまく乗り切ったのに…でも、絶対に“それ”やると思ったよw
無理あるんじゃね?ってところは多々あるが、過疎配信者が有名になるため嘘に嘘を塗り重ね、狂気にのみ込まれていく様がブラックかつコミカルに描かれていて、なかなかオモロイ映画でした。