家庭環境が非常に悪く困窮した環境で暮らす15歳主人公。
金持ちな旧友に会って家の鍵を盗み、旧友家族が長期バカンスへ出かけているうちに家に忍び込み豪邸生活を楽しんでいたところ、留守番を頼まれていたこの家の兄が帰ってきて…。
普通なら警察を呼んで追い出すところだが、この兄はそうせずに若くしてやさぐれた主人公の心に寄り添う。
子供扱いせず説教をする事もなく、歳上の友人のような関係性で様々な言葉を交わす。
なにか事件や物語が盛り上がるような事が起こる訳ではないけど二人の心の機微が細かく描かれ、この体験が彼女の今後の人生に良い影響を与えたらいいなと思わせる余韻のあるラストもとても良かったです。