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ダンサー イン Parisのmoneのレビュー・感想・評価

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)
4.2
ハートフルでちょっと尖ったダンス作品。ブラックスワンのトラウマで所々の演出に過度なホラーを感じとってしまったけど、愛とユーモアに溢れる温かい作品だった。

好きすぎてDVDまで買ってたパリ・オペラ座のドキュメンタリーでも、印象的だったのは彼らの進路。ダンサーとしてやっていけるのは本当に幸運な一握りの人たち。アカデミー卒業時に就職が決まらなかったりしてコンテンポラリーのカンパニーに入るダンサーは少なくない。オペラ座団員のエリーゼは本当に優秀だし、彼女自身もそのことを誇っているけど、失恋と怪我という大きな挫折。そこで彼女を救ったのはやはり踊り。完璧を求めるクラシックバレエから自己表現としての踊りへと向かう中で、自分自身と向き合い己を解放していく様が生き生きと描かれている。ジャンルは変われど、キャリア、恋愛、親子、友人関係と色々ある中で結局は踊ることが彼女の軸。そこのブレなさがかっこよかった。あと登場人物が全員愛らしくて。フランス人は見ている分には本当に愉快だし清々しい笑

唯一残念だったのは、最後のエリーズのコンテンポラリーダンスのソロがBGMとともに親子の感動シーンへ切り替わってしまったこと。冒頭のダンスシーンと同じくらいのボリュームで彼女の第二の人生の序章を見届けたかった!
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