【まるでアメコミ】
共同脚本が菊島隆三なのでタイトな出来栄えの見応えある和製ノワール。増村保造初期の佳作。全編、無音で展開される街の権力者による陰謀を暴く新聞記者を主役に据えた骨太社会派サスペンス。
主演の川口浩さんが凛々しく男臭い。アメリカのB級映画の模倣のような作風がバタ臭く陰影の深い画面造形などがお見事。同時代の鈴木清順ほどポップさは感じさせないが、昭和の街並みのセットが独創的である種のモダニズムが根底に流れている。
「ラ・マルセイエーズ」の口笛がラストで流れ、その後でアッと驚く展開が…。🫣
終始画面に釘付けにされる増村流ストーリーテリングの妙技よ。♫