HK

ジャンゴ対サルタナのHKのレビュー・感想・評価

ジャンゴ対サルタナ(1970年製作の映画)
2.2
“サルタナ”とは?
CSの「特集:ジャンゴたち!」の録画連続鑑賞4本目。
どうやらマカロニ・ウェスタンのマニアの間では、ジャンゴ、リンゴ、サバタなどと並ぶ人気キャラらしく、シリーズは5本以上あるようですが全て日本劇場未公開。

このサルタナ、黒ずくめでダンディなギャンブラー・スタイルの賞金稼ぎで、腰のリボルバーやライフルの他に小型拳銃なんかも隠し持ち・・・
アレ? まるで『西部悪人伝』の“サバタ” みたいですが、実は“サルタナ”が主人公のシリーズ第1作目(本邦未公開)を監督したフランク・クレイマー監督がサルタナをパクって翌年に新しく作ったのが“サバタ”シリーズなんだそうです。
マカロニの世界は意外と狭いのかも。
ちなみにサルタナとサバタが競演している映画もあるとか(区別つくんでしょうか?)。

ですから、本作は『エイリアンVSプレデター』とか、『キングコング対ゴジラ』とか『デビルマン対マジンガーZ』みたいな夢の対決モノ企画なのです!
(初めは敵対しながらも最後は共闘して真の悪を倒す展開は最後のが一番近いかも)。

いや・・・でもちょっと待った!
上記作品はいずれも各キャラがCGや着ぐるみ、アニメなど一応ビジュアル的に説得力がありますが、本作の場合は“ジャンゴ”はフランコ・ネロじゃないし、“サルタナ”もオリジナル俳優じゃないらしく、そうなるとただの知らないオッサン2人なわけです。
例えると、勝新も三船も不在で別人が演じている『座頭市と用心棒』を見た感じでしょうか。誰も見たくないでしょうね。

さらに本作は絵作りも編集も役者も見事にチープ。
二人の主人公は全然強そうじゃないし、銃で対決せずに延々殴り合うし、ひ弱な二人の格闘が見るからに痛々しいし、双方ボコボコになった顔面は次のシーンでは全回復してるし、同一シーンなのにカットが変わるといきなり雨が降ってるし・・・
一時期日本で粗製乱造されていた2時間ドラマや、完全にパターン化してしまった末期必殺シリーズをちょっと懐かしく(?)思い出したりなんかしました。
HK

HK