日本語版のジャケットや予告編はポップな色使いとコメディタッチなのですが、「ジョーズ」を現代に置き換えてエスプリを効かせたような非常に真面目なサメ映画に仕上がっていて驚きました。
あえてドラマチックにならないようにしたのか、抑え気味の映像はとても美しく、ずっと不穏な悪夢を見ているようでしたし、無事サメが退治されたあともまだ何かあるんじゃないかと気をもんでいましたが、最後の最後にウォーキングで猛スピードで歩くマジャの姿に、やっとほっとできました。
印象的だったのはSNSを通じて平和だったラ・ポワントの住民たちが暴走していくさまです。マジャの恐怖と孤独を表すのにとても効果的だったように思います。あとはパリ市民をやたらとdisっていたのも面白かったです。チョコクロワッサンをパン・オ・ショコラとか言いやがるとか、リゾート施設の所長がひたすら悪口を言うシーンには笑ってしまいました。
本作はフランス初のサメ映画とのことですが、これからもどんどんサメ映画が作られることを期待しています!