信仰は極めて難しい。神の言葉の解釈によって神職は信者の行動を規定するが、神は決して信者に対して具体的な行動は起こさない。数々の苦難は神の試練と称されるが、その試練は帰依の深さを測るだけで信者の益となることは少ない。試練を乗り越えるのは神の力ではなく人の力である。そういうことを痛感させられるいい作品でした。信仰は自由ですので、だれが何を信じようとかまいませんが、それを他人にまで信じさせようとするのはやめて欲しいものです。何か集会を開くことでそれに参加する人に広めればいい。神の宿る場所を出入り自由にしてそこを訪れる人を誘うのはいい。しかし近所の人や道を歩いている人知らない家を訪問したり、困っていそうだからと言って自分の信じるものを他の人に押し付けるのはやめて欲しいものです。そういった過干渉がシネに虚勢を張らせジュンが誘拐されるもとになったり、生活への過介入がシネの心を壊してしまったのではないでしょうか。ソン・ガンホの演じたジョンチャンこそがシネを救える人だったのですね。それにしてもなぜ韓国ではキリスト教徒が多いのでしょうか。
