御伽話のような恋の、その先の物語。
14歳のプリシラにがっつり来るエルビスは普通にこいつヤバいなと感じるし、かなりモラハラ野郎であることも間違いない。
…のだけど、一方的に洗脳されてるような関係なのかというとそれだけでなく、プリシラは確実に彼を愛していて、プリシラも彼からの愛を感じていたのだろうな、と思える。2人の関係の正反対の面に納得できる物語にしたソフィア・コッポラ凄いな、と思った。
憧れのスターと恋をして、結婚して、子どもも持てた。なのに幸せだと思えない。14歳からあの環境にいたプリシラが、彼と離れる決断をするのは本当に勇気が必要だったと思うけど、「自分の人生を生きたい」と真の自立に目覚めてしまったら、もうあそこにはいられなかったんだろうな。
御伽話が終わり、夢から覚めた瞬間で映画は終わる。この先の彼女に、エルビスに、幸あれ、と心から思うラストだった。
