Arara

プリシラのAraraのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
3.9
いまいち評価高くないけどどうなのかな?と思ったが、自分はすっごく楽しめた。

冒頭のピンクのお花で敷き詰められた絨毯のシーンから、オシャレすぎる。

プリシラの登場シーン、なんで少女が振り返るだけなのに、こんなオシャレなシーンに出来るんだろう、と溜息ものだった。
結婚式のシーン、ゆっくり瞬きするシーンから入るのもオシャレすぎた。

お話としては、実話ベースだが、プリシラには、西ドイツの中学校でクラスメイトと付き合って、結婚して、子供を産んで、もっと普通の幸せな人生を手に入れて欲しかった。
14歳でエルヴィスと出会っていたのもびっくりだったし、エルヴィスの半分ぐらいの背丈や、どんなに大人っぽい服を着ていても子供にしか見えない幼さが違和感しかなかったし、痛々しかった。
黒髪も、オーバーすぎる髪型も、エルヴィスの隣に並んで初めてしっくりくるものだし、どんどん彼に染まっていってしまうところも悲しかった。
アメリカのエルヴィスのもとに引っ越し、学校終わり庭で犬と遊んでいるシーン、家の門の外では彼のファンが出待ちをしていて、そんな誰もが憧れる大スターが付き合っているのが、同世代の女優やモデルでなく正直どこにでもいそうな学生の彼女で、違和感というか現実味がなかった。

こんな毎日遊んでばかりの日々に嫌気がささなかったのかな、とも思ったし、結婚するまでにも自分なら逃げ出すだろうな、と思う出来事たくさんあったのに、そこは乗り越えて、最後は唐突感があった。
もっと子供だった彼女に道徳感であったりを教えてくれる大人が近くにいて欲しかった。

エルヴィスは、オースティン・バトラーで見たかった!!と思ったが、調べてみたら演じていた俳優さん女優さんと同じ歳で、今作のプロモーションの写真もどこか自信なさげな表情で写っている写真が多く、一種高圧的な映画の中のエルヴィスとは全く別人で、この俳優さんだったからこの映画成り立ったんだな、と思った。

最後のシーンもやっぱり幼さが目立ち痛々しく見ていられなかったが、その先のメッセージが含まれているようで好きだった。

ウェス・アンダーソン然りソフィア・コッポラの映画って、世界観独特で受け入れられない人も多いかもしれないが、この先も今のままの世界観で作品を作り続けて欲しい。
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