ねぎおSTOPWAR

グリーンフィッシュ 4K レストアのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.0
ヒューマントラストさんありがとう。
4Kリマスターに関わった監督以下のみなさんもありがとう。
これをスクリーンで観ることが出来て良かった。

撮影ユ・ヨンギル+照明キム・ドンホ+編集キム・ヒョンというコンビは
名作「チルスとマンス」や伝説の「南部軍」と同一。
撮影照明だけで言うとホ・ジノ監督「八月のクリスマス」も。
つまり当時の韓国映画を支えた面々ですね。
今観ると、決して新しいことはないけれどね、でも日本でもそうだったわけですけど、いわゆる映画屋さんのカメラ。キメておいて人物を中で動かす系。

中身は人生の悲哀とでも言うか・・
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兵役を終えて故郷に帰るマクトン(ハン・ソッキュ)は半ヤクザのペ・テゴンの情婦ミエ(シム・ヘジン)と出会い、自身の荷物を置いたまま彼女を助け逃走。
家では脳性麻痺の長兄と母、他の兄は警官とたまご売りと妹。いつかみんなで店を開くことが彼の夢・・
ミエを助けた縁で、マクトンはペ・テゴンに気に入られ、嫌っていたヤクザになっていく。
そこにテゴンの宿敵で兄貴分のヤンギルが出所してきて・・・・
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ヒントのように描かれる家族のシーンが全て厳しいリアリティがあってズシンと来ます。
疲れ切っている母、全てにうんざりしている警官の兄、ストレスから無茶をするたまご売りの兄、田舎でどうすることも出来ない妹・・
兄の妻たちもうんざりしています。
マクトンはみんなをなんとかしたいという思いはあるけど、自分自身の実現すべき夢のようなものには出会ってもいない。そんな自由な人生は許されなかったということか。
そこでヤクザたちにずるずると引き込まれ・・・

実は警官の兄役はハン・ソンギュさん。ソッキュの実の兄なんですね、びっくり。
「二重スパイ」でも出演していたんですね。
ソッキュのマネージャーが本業のようです。

あとね、この映画はイ・チャンドンに見出されたソン・ガンホが重要な役回りで出演しています。舞台のソン・ガンホを観て監督が引っ張ったそうです。グッジョブ!!


ラストのことはネタバレ。以下












マクトンは死亡したんでしょうね。
兄が泣いていたのは葬儀でしょう。
おそらくは店は遺言のような形で伝わったのかな・・

ペ・テゴンがマクトンを刺し殺したのは何が理由だったんですかね?
ミエと寝たからか・・でもそもそも添い寝だけで終わった可能性すらあると思うんだよなあ。
あるいは勝手にヤンギルを刺し殺したからか・・
いや、ヤンギルはあれで死んだのか?報復でテゴンに始末を命じた?
転居してきたテゴンはヤンギル亡き後、地域を仕切りボスとなったのか・・
いやあそれよりはカタギになった気がするなあ。
自分で運転してたし、引っ越したってねー。
ミエが柳の木(かな?)を見て気付いてくれたことが救いでした・・・。

駅名:新炭里って言うと、北との国境沿い。
開城の北東にだいぶ行った場所で東の海沿い束草ソクチョの真西に随分と行ったとこ。相当な田舎ですよ。


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