名波ジャパン10

月の名波ジャパン10のレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.2
元職員により19名の入所者が刺殺された相模原障害者施設殺傷事件をモチーフにしたスーパーヘビー級の重い作品。磯村勇斗が抑えた演技で犯人の異常性を見事に演じ切っており、宮沢りえと二階堂ふみも演技の幅を広げて難しい役どころを好演。施設での障害者の実態と宮沢りえと二階堂ふみが演じる施設職員2人が抱える問題が重層的に描かれ、「人」とは何か、「現実に向き合う」とは何かという問い掛けが執拗に繰り返され、観客は徐々に逃げ場を失い、追い詰められます。劇場を出た後も暫くは無言を強いられるとにかく重たい作品です。覚悟してご覧下さい。