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月のmuuumのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.8
この内容をテーマにすることは、とても勇気がいることだと思うし、かつ、どこに「観なくてはいけない」という理由づけができるのだろうか、と思います

障がい者を包括する社会、
いわば言葉を選ばないなら
「役に立たない人間をなぜ守らねばならないのか」という問いにもなります

実際に起こった障がい者無差別殺傷事件をベースに
・精神病院という閉鎖的な環境で起こる虐待や殺人
・先天的な病気をもつ子の親の人生
・元ヤクザという社会的弱者の人生
などを盛り込みながら、描かれている物語です

正直、ちょっと要素を盛り込みすぎていて
描きたかったことが見えにくくなっているのかも、とも思いましたが、
この単純じゃない、交差する人間模様が石井裕也監督が見たかったものなのかもしれない、と思いました

宮沢りえさんの苦しみながらも前に進む姿がすごかったです
オダジョーさん、この思い物語の中で唯一未来を指し示してくれてる光のような存在でした
磯村さん、適役
二階堂さん、何気にこの人が一番モンスター的で恐ろしかったです


出てくる人みんなが弱者でもある中で、人間の正しさとか正義の難しさを改めて考える物語でもありました
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