★かつて起こったことは、これからも起こる
【VOD/WOWOWオンデマンド/配信視聴/シネスコサイズ】
実際の障害者殺傷事件を題材にしたタブーと言うか人間社会の闇を描いた作品。
夜を中心とした障碍者施設の描写は重苦しく辛い。暗闇が多いと映画としては観づらくなるが、そこは監督の狙い道理であろう。主演の宮沢りえをはじめ、オダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみといった実力派俳優の熱演はリアルであり、テーマである社会の闇や現実を鋭く描いる。
本作は深い森の中にある重度障害者施設で、ある職員の思想の変化を、ドラマを通して描いているのが面白い。最終的には「意思疎通ができない障害者は人間ではない」という過激な思想になるが、宮沢えりの家庭内問題を重ね合わせて描いており、シナリオに説得力があった。
本作は上映時間144分と長尺だがショッキングな題材なこと、そして演技人の重厚な演技のおかげで飽きることなく観られた。