NaokiAburatani

ダム・マネー ウォール街を狙え!のNaokiAburataniのレビュー・感想・評価

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マネー・ショートを劇場と配信、吹き替えと字幕で合計5回見直してようやく内容を理解した気になっていた‥その後21世紀の資本も鑑賞し、当時は「なるほどね〜」とか思っていたのだが、久々に金融系の作品観てみるとその辺の知識が綺麗サッパリ吹っ飛んでおり、自分の記憶力のなさに辟易としながら鑑賞。
普段興味0な話題でもこうして色々調べたり、知ったりするキッカケになるのは映画の醍醐味だなぁ。

金融知識ナシ男の自分ですら楽しめたんだからクレイグ・ギレスピー監督のエンタメ昇華力に脱帽。ただ、普段株をやらないもんで、自分と地続きの話ではないと感じてしまった。
フェイブルマンズに引き続いてポール・ダノとセス・ローゲンが今度は金融市場で対決!ポール・ダノのずっと口半開き演技も良かった。

公式サイトの用語解説にも助けられてかなり分かり易い勧善懲悪ものになっていたと思う。ただ、現在のゲームストップの株価とか当時ゲームストップ株を買って儲けてたファンドが存在していたのとか見ると少しモヤモヤ‥
まぁ、今回は個人投資家達が富裕層に一矢報いたという事実が重要だと言われればそうなんだけど、何だかなぁ。マネー・ショートで巨額の利益が出た樣を描いた空売りで今度は多額の損失出した富裕層とか見てると金融市場の異常さに目眩がした。
結局一番の黒幕っぽく描かれたケン・グリフィンは現在も富から富を産んでるみたいだし、観てる間は楽しめたけど終わった後に調べれば調べるほど手放しで喜べなくなってしまう。
徹頭徹尾画面に現金が出ず、画面越しの数字に一喜一憂する様も資本主義社会が行き着くところまで来てしまったように思えた。

とはいえ、そこばかり注視してもしょうがなく、要所要所で良かったシーンもあった。特にコロナ禍の真っ只中、距離を取ることでマスク無し会話が出来る喜びを感じれたガソスタのシーンにジーンと来たりもした。
登場人物のMVPは強めの酒出してくれたCA。
「これは麻薬と同じ。のめり込み過ぎてはいけない。」というゲームストップ店員の母親のセリフが単純だけど真理だったように思う。
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