非常に抑制の効いた筆致(映像表現なのでこうは言わないと思うけど私にはまさに「筆致」が相応しく見えた)で丁寧にパントマイムを浮かび上がらせる演出が85分というコンパクトな尺で過不足なく語られていて感銘を受けました。
アウシュビッツで父を亡くしたご本人のアーカイブ映像による語りも聞き応えがあったけど、家族のそれはもっと。無言で表現する彼を、家族も本人も饒舌に語るところがこの映画の妙。
加えてパーキンソン病ケアのワークショップあたりから、降り注ぐその「饒舌」な表現に圧倒される。
そして聾のパントマイムへ。『ドライブ・マイ・カー』へと知らず導かれた想い。