8Niagara8

妻の心の8Niagara8のレビュー・感想・評価

妻の心(1956年製作の映画)
4.2
ただただかっこいい三船が見られる。まさに銀幕に輝きをもたらし、じめっとしたこの話にも爽やかな風が吹く。それだけでお釣りが来る。
『乱れる』の若大将とは違うスマートさが色気と共に。

姑、義兄、そして旦那もどうしようもなく、そんな状況でも健気な妻として振る舞う高峰秀子は外的な要請でもって演じている雰囲気が漂う。
もちろん小林桂樹にも次男としての彼の苦悩もあるのだが。
そして成瀬の諸作のお決まりを裏切るかのように、この禍々しい家庭に彼女を残す。
とはいえ、彼女自身の諦観じみた決断でもあり、それがまた苦々しい。

加藤大介と沢村貞子の定食屋が微笑ましい。コックの加藤の姿がキュートだ。
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