料理教室で、聞こえるはずのないチャイム(予鈴)が聞こえる。
それは、終わりの知らせか、何かが始まる合図なのか…
主人公は料理人を目指すも、料理教室の先生止まりで一向に先に進めない。
そうやって40を過ぎ、結婚し、子供も大きくなった。
そして創造的人生の持ち時間が、終わりに近づいている。
受け入れ難い事実に煩悶(はんもん)とする日々、ついに彼にも"終わり"がやってくる。
チャイムの意味を考えると、なんとなくこの映画を理解できる。
休み時間の終わり、授業の始まり、テストの終わり、下校の合図…
切羽詰まった人間にとって、圧倒的正しさをもった、暴力的とも言えるサイン、それがチャイム。
それを聞いたら最後、正気でいられるかどうか…。