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ボブ・マーリー:ONE LOVEの千年女優のレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
3.0
ジャマイカで発祥したレゲエの先駆者であり、アフリカ回帰主義を掲げて唯一神ジャーを信仰するラスタファリの中心人物となったボブ・マーリー。1976年、人民国家党とジャマイカ労働党の対立が激化する中で銃撃事件にみまわれてやむなくロンドンに逃れた彼が、病に蝕まれながらも祖国の平和を祈って活動を続ける様を描く伝記映画です。

ヒップホップと共に黒人文化を世界的に広めて後世に大きな影響を与えたレゲエミュージシャンの半生を、『ドリームプラン』のレイナルド・マーカス・グリーン監督、『あの夜、マイアミで』でマルコムXを演じたキングズリー・ベン=アディルの主演で描いた作品で、批評は振るわずとも観客の支持を得て二億ドル近い興収を獲得しました。

「ミュージシャン」の枠に留まらない多大な影響を残した人物が主人公で、かつ若くして亡くなったとあって要素は豊富なものの、映画の尺の中ではどれにもフォーカスしきれていないところがあります。最終的に本人映像に頼るのでは結局ドキュメンタリとの差を見せられずですが、心と身体を動かす流石の楽曲の数々が支えている一作です。
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