母子家庭に育ったヒスパニック系の少女で、スケートボードに興じるも怪我を負った際に母親から二度としないよう強く窘められたカミーユ。それでもボードを捨てられずインスタグラムでフォローするNYの女子スケートボードチーム「スケート・キッチン」入りした彼女が、意気投合した面々と体験する青春の日々を描いたスポーツ映画です。
スクール・オブ・ビジュアル・アーツ出身でNYで出逢った六人兄弟を追ったドキュメンタリでサンダンス映画祭審査員大賞を獲得したクリスタル・モーゼルが、実在の女子チームを題材に上梓した短編小説を基に制作した2018年公開の作品で、再びサンダンス映画祭でプレミア上映されると好評を得て日本を含む世界各国で劇場公開されました。
メディアの脚光を浴びる『ロード・オブ・ドッグタウン』とはやや方向性は違えど同じスケートボードを通じて「渇きを癒せない若者」が瞬間的に放つ輝きを描いて多くの人が感じる青春時代の気持ちを思い起こさせます。家を抜け出して通った居心地の良いパーク。それでもいつかはそこすら窮屈になって飛び出していく様を捉えた一作です。
