春チョイス。
相米さんの最後から2番目の作品。
山一證券の破綻という日本経済失速の象徴的イベントを背景にしている。
単品で見ると特に暗い感じはないが、フィルモグラフィー通して見ると、バブル絶頂期の相米作品とのテイストの違いを感じると思う。
ほのぼのとしたコミカルなトーンに潜む先行き不明な殺伐とした空気感。それだけにひよこのモチーフが際立っている。
単発のモチーフに留まらず、斉藤由貴が佐藤浩市の腹肉を吸うシーンや腹で孵化するシーンの対比へと昇華させていく。このイメージ喚起の連鎖。
当初、ひよこというタイトル予定だったらしい。
それにしても斉藤由貴の程よく丸みを帯びた可愛らしいフォルム、ずっと見ていられるなー。