この監督さんは「ドライブ・マイ・カー」観てクッサ〜と思っていたが、面白いの撮れるじゃないですか。
なぜ村上春樹の、透かしっ屁みたいにクッサイ小説を撮ってしまったのかが謎過ぎる。
強いていうと、せっかくあれだけの絵作りができているのだから、最後まで事件性を持たせず、何も起こらない傑作を目指した方が良かったのでは。
面白い結末だし、結末を絶対予想させないようミスリーディングな伏線を巧妙に張るセンスが素晴らしいが、ラストでショックを与えねばという、結末から出立したかのような創作性が見え隠れして結局、物語作家か、となる。
何もなければケリー・ライカートに通じる純粋映画になっていたのが、結末のためにハネケのような胡散臭が若干滲み出る。
それでも、観客入れなきゃなので、商業映画と非商業を自在に行き来する優れた映画作りやっているのだと感心。