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僕と幽霊が家族になった件のすずやのレビュー・感想・評価

僕と幽霊が家族になった件(2023年製作の映画)
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死んだゲイの青年と暮らすことを余儀なくされたホモフォビックなヘテロの刑事…って聞いたときは身構えてたけど、いざ観てみたら凄く良かった…これは確かにゲイの青年の物語だったし、ヘテロの人間が抱えるホモフォビアがいかに荒唐無稽か、そしてゲイだって誰かを愛したいと思う人間にすぎないんだ!ってことを繊細に描きあげる映画だった。良かったな…

この映画の主軸はゲイの青年・マオの抱える”無念”の正体は何か、ってことだったんだなって見終えたあとになって気づいて。どうすれば成仏できる?と手探りで進んでいくうちに、ヘテロのミンハンには見えていなかった、マオの抱えたゲイとしての生きづらさや家族関係の拗れが姿を現す…っていう物語の作りの巧さに思わず唸ってしまった。あれは確かにストレートの奴には見えない部分だよな…ストレート(とくにホモフォビックな人たち)は、ゲイであるゆえに家族関係の拗れが生まれてしまうことだったり、あるいは「同性婚が合法化される」というイベントがどれほどポジティブな影響をクィアに与えるか、想像しないだろうから…

ラストシーンのLegally equal marriageのステッカーのシーンを見て泣いちゃったな…やっぱり同性婚のある国の映画なんだな、羨ましいなって…
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