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ナポレオンのQIのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.8
“長大な予告編?”

監督:リドリー・スコット
主演:ホアキン・フェニックス

『グラディエーター』コンビ再び

…に加えてヴァネッサ・カービー

スコット監督の敬愛するキューブリックが『2001年宇宙の旅』に続いて制作直前までいったものの実現しなかった『ナポレオン』

キューブリックの意思を継ごうと長年構想を温めていたそんな作品をとうとう実現、いたるところに彼へのリスペクトが感じられます

8000人のエキストラを使ってカメラ11台で同時撮影された戦闘シーンの迫力と画作りの美しさは流石リドリー・スコット

衣装を含めた美術もとても贅沢で素晴らしい

それはまるで『バリー・リンドン』の戦闘シーンと美術を見ているかのよう

クラシック音楽の多用もどこかキューブリックっぽい♫

そんな迫力満点の戦闘シーンを全面に打ち出したプロモーションが故に、どうしても本作にナポレオンの生涯を含めた歴史スペクタクルを期待していましたが、物語が進むにつれてそうではないということに気がつき始め…

これは複雑に拗れた、かつ悲劇的なナポレオンとジョゼフィーヌのラブストーリーなんじゃないかと🤔

祖国への愛とジョゼフィーヌへの愛のバランスが保てず苦悩し、嫉妬に身を焦がす一人の男性としてのナポレオン

そこには『アイズ・ワイド・シャット』が見え隠れし…

そしてナポレオンに見初められたが故に、予期せぬ人生を歩むことになり苦悩する一人の女性としてのジョゼフィーヌ

歴史年表をなぞったように描かれるナポレオンの人生とともに変化し、揺れ動く彼女を見ていると、この物語の主人公はジョゼフィーヌなんじゃないかとさえ思えてきます

ナポレオンと別の女性との間に生まれた子供を抱きながら彼女が見せる表情と子供にかける言葉に胸が締めつけられ…😢

そんな見方をすると、ホアキンとヴァネッサのキャスティングも至極納得、その演技の素晴らしさもじわじわと心に染みました

そしてリドリー・スコットあるあるwの4時間半に及ぶ別バージョンの存在

長尺部分のほとんどはジョゼフィーヌについて描かれているとのこと

この完全版を観るまで今回の評価は暫定ということで

p.s.
キューブリック版で予定されていたキャスティング
ナポレオン:ジャック・ニコルソン
ジョゼフィーヌ:オードリー・ヘプバーン

是非観てみたかった🤤

そしてスコット版を観たキューブリックが吐く辛辣な感想もw
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