ギロチンと大砲の時代を生きたダメ男
カリスマであり智将、マチズモの権威でありメンヘラであったとある英雄の悲哀の物語
とにかく美麗な画面の中から伝わる、上質な衣類にその身を包まれた野蛮というか、どのキャラクターもギラついた本能に従って行動している
歴史物を描く上で、現代人とはモラル・スタンダードの全く異なる異界である事を演出するのは本当に重要だ
そしてど迫力の合戦シーンと同調しながら進行してゆく、夫婦間のミニマルかつしょーもないスレ違いの対比が本当に痛快だった
あくまで一人の男について描き切っただけ、こいつは英雄でもあり悪魔でもあるという中立的な視点が終始持続していたのがよかった