春

ナポレオンの春のレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.9
有名なナポレオンの成り上がり的部分はだいぶ簡素で小走り的な印象を受けた。
一般的に想像されるようなナポレオン像を描くよりも、ジョゼフィーヌとの関係やナポレオンの内面をフォーカスし深掘りした作品。

「リドリー・スコット監督のナポレオン」という文面から想像されるような重厚な歴史ドラマ的空気はほぼなく、かなり過剰にナポレオンをみっともなく描いている。批判的ですらあるのでは。しかしホアキン・フェニックスが主演ということもありそれだけで十分見応えのあるドラマにはなっていた。

浅学菲才の身なので史実との違いを論じたりは出来ないが一つ気になった点をあげるとすれば、若い頃のナポレオンのシーンのときからバリバリおっさんのホアキンが演じていて、若く見せようという工夫が一切ないこと。
二十代の頃のナポレオンを演じているのもオジサン・フェニックスだし、おじさんナポレオンを演じているのもオジサン・フェニックスだからまるで時間の流れが感じられなかった。



ナポレオンという題材がどう描いても面白くなるものだろうし、この映画も切り口の一つとして非常に興味深い作品だった。
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