約30年も監獄に入れられたのち、南アフリカ共和国の大統領となったネルソン・マンデラ(演:モーガン・フリーマン)が、赦しの機会として、希望をラグビーに託した実話。
マンデラ氏のことはさすがに知っていたけど、ラグビーをここまで信じ、そしてそれに応えた代表選手たちのドラマがあるとは知らなかった。
一方で、以前から知っていたオールブラックスの巨兵ジョナ・ロムーがこんな関わり方をするなんて驚いたし、ロムーの怪物ぶりを表す有名な映像を実際に使用したりと、実際の史料の盛り込み方がうまくできてるなと感じた。
描写そのものにはそこまで斬新さはない。マンデラ氏だったりピナール選手(演:マット・デイモン)がどのようにして歩み寄ろうとしたのか、その心象の移りゆきもそれぞれの名優の演技に託されている。
基本的にワンテイクでさくさく撮影を進めるというイーストウッド監督らしいといえばらしいけれど、一度しかなかった一世一代のチャンスをモノにした史実の彼らを再現したとも言えそうだ。
比較的演出はあっさりしているけど、元々ドラマ性が強いものだから見ごたえはある映画でした。