このレビューはネタバレを含みます
美しさと醜さの、圧倒的対比。
ダイジェストと言ってもいいハイテンポな展開、モチーフや設定の何でもあり感、進行によって雑に舵を切られる感覚等々、随所にご都合主義を感じつつも、生物であったり、機械、造形物であったりのデザインセンス、発想力に感心させられました。
そういったディティールの部分で、独自の世界構築、その解像度を窺えて面白かったです。
STUDIO4℃による美麗な作画は凄まじく、惚れ惚れする出来でした。いつも高クオリティなアニメーションで魅せてもらえることには感謝してもし切れません！
後半、純粋な心をもっていたエデンの民たちが、妬みや嫉みが生じるようになる薬を川に混ぜられその水を飲んだことで、そういった感情の赴くままに争いを始めてしまい、結局滅んでしまうというラストは、寓話的に知的生命体の愚かさを描けていて良かったです。
ガワとしての美しさが群を抜いているだけに、内容が本当に醜さに満ちていて、そこにこそ本作の本質があったと思います。
ただ声優の演技がかなりのノイズになっていて、特に窪塚洋介演じるジョージは聞いていて苛立ちすら覚えるレベルでした。私個人としては、全体的にハマっていなかったように感じました。
総じて、描くテーマ性、細部への拘りには一定の評価ができるものの、それ以外の意匠の部分に足を引っ張られる作品でした！
