イスケ

パパラッツィ 2Kレストアのイスケのネタバレレビュー・内容・結末

パパラッツィ 2Kレストア(1963年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

パパラッチが欲しがる「バルドーが子犬と戯れる様子」をしれっとロジエが押さえて作品の中で使ってるところが、喧嘩売ってるようで可笑しかったw


「覗いてるお前を覗いてやる」

そう言わんばかりにロジエがパパラッチに仕返しのカメラを向けるような構図も面白い。銃をカメラに置き換えた西部劇っぽくて。

これだけパパラッチ側に「撮れない」というフラストレーションを与えて続けていると、何だって自由に撮れてしまうバルドーの専属カメラマンは、そうとう妬みの対象になって大変だっただろうな。


街で若手パパラッチにインタビューする映像が後半に何度も挟み込まれてましたね。

「朝早くから岩場に隠れて撮影しなきゃいけないし、上司にも怒られるんだぜ?」

ざっくりそんなこと言っていたけど、僕なんかから言わせりゃ、

「人のプライバシーを侵害しといて何を被害者ヅラしとんのじゃ」

なんですけどね。
ただ、ロジエは彼らの立場に一定の理解を示してるんじゃないかなぁという印象は受けました。

批判一辺倒なアプローチにしたいなら、あのシーン要らない気がするんですよ。

「軽蔑」の撮影中、裏ではロジエがパパラッチともコミュニケーションを取りながらバランスを取ってたという話も聞くし、そうこうしてるうちに若手パパラッチの彼らに若干の情とか愛着が湧いたんじゃないかと邪推してますw


海辺の男女という点でも、ロジエが撮影することにしっくりくるドキュメンタリー短編だったし、劇場で観れて良かったです。
イスケ

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