ワンコ

夢みる校長先生 子どもファーストな公立学校の作り方のワンコのレビュー・感想・評価

4.0
【学校は楽しかった】

夏休みが終わる8月末が近づくにつれて、ブルーになる生徒がいるとか、9月に入ったら「学校に行きなさい」はNGワードなんていう記事を読むようになった。

学校は必ずしも行かなくて大丈夫っていう話はよく聞くようになったし、僕もそれで良いと思う。

ただ、僕は学校が結構好きだったし、学校自体は、行きたくなるような楽しい場所であるべきだと思う。

この映画で紹介される学校と校長先生の取り組みは羨ましくなる。
ただ、正直、コロナへの対応については、僕は大多数の学校の考え方や措置と同様のことをしてしまったに違いないと思う。

小学5年生の秋に自動車に轢かれて、僕は脚を骨折した。

脛の2本ある骨のうち細い方の骨で、複雑骨折ではなかったので、ギプスが外れて松葉杖が要らなくなるまで1ヶ月くらいと比較的短期間だったけれども、校長先生にリハビリを兼ねて週2回の早朝の柔道教室に来ないかと誘われた。
校長先生は黒帯の更に上の紅白帯の持ち主の柔道の達人で、貫禄があるけれども優しい人だった。

リハビリは雪国の冬で早朝。
ガタガタ震えながら小さい方の体育館に畳を皆で用意して、正座して黙想してから稽古になる。
息はずっと真っ白だ。
今思い出してもブルって震える。
だが、稽古の後の校長室で皆ですするカップラーメンは本当に美味しかった。
だから、僕にとって校長室はカップラーメンを食べる場所だった。

おかげで翌春に開催された近隣の複数自治体の競技会で、僕は一番になることが出来た。

小学校の時は、廊下に立たされたことはあるし、大変な悪戯をして担任の先生を激怒させたこともあるし、家庭訪問の時に母親が担任の先生に好きなだけ叩いて大丈夫ですからと低姿勢で話しているのを聞いたこともある。
僕は両親に叩かれたことはないけれども、先生には叩いて大丈夫ってどゆこと?っていまでも思う。
授業は図画工作と体育だけ好きだったけるども、本気で向き合ってくれた担任の先生や校長先生が大好きだった。
本当に楽しかった。

子供は先生が本気で向き合ってくれれば、ちゃんと理解できるのだと僕は信じている。
ワンコ

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