ダンクシー

ジョー・ブラックをよろしくのダンクシーのレビュー・感想・評価

4.5
「心をオープンに。いつか稲妻に打たれる」

死は絶対に逃れられないもの。だからこそ、悔いなく死にたいものです。生きてるうちに、感謝を伝えたい。もし死神がいて、自分の死期を伝えに来たとしたら、死を悟って落ち込むか、喜ぶか、人によって異なると思う。しかし、死ぬことを知ったなら、後悔のない死に方をしたいはず。この映画は、終活としても恋愛ドラマとしても家族愛としてもあまりにも秀逸すぎた。3時間と長めの作品だが、あっという間だった。

「男と女の関係ってそういうものさ」
「つまり?」
「永遠はない」
「本当ね」
「そう思う?なぜ? 聞きたい」
「同調しただけ」

にしても、若ブラピの色気エグッッッ!!こんなん惚れてまうやろ…。ブラピが反則級の色気を醸し出してました。まず、モーニングコーヒーのシーンが最高でしたね。スーザンと青年(ブラピ)の出会い。あれこそが、気になる人へのアプローチの仕方のお手本だ。死んだ青年の姿を借りた死神(ジョー・ブラック)も、スーザンと再会(あったことないけど)した時の話しかけ方といい接し方があまりにも良すぎた。あんなんどこ行ってもモテモテやろうがぃ!!
でも、やっぱナンパとか口説き方ってのは、ルックスもそうだけど色気が大事なんだろうなぁ…。色気があるから惹かれ合う訳で。。俺も色気が欲しいよぉぉ!!

スーザンの父である大富豪の社長のビル(アンソニー・ホプキンス)と死神ジョー・ブラックの不思議な関係性。取り引きとして、富も地位も知見も何もかもを持つビルに人間世界の案内役をしてもらう代わりに死を遅らせてもらう。設定がまずいいよなぁ。そんでもって乗っ取った肉体が死ぬ前にビルの娘のスーザンと良い感じになっていたとか…出来すぎやろ!!ストーリーとして出来すぎている!!素晴らしいよ(褒め言葉)!!!

「あなたは誠実?」
「恋人は1人。誠実だ。 今募集中。君かも」

当然、ジョーブラックも人間界と関わっていくんだけど、マナーとか色んな食べ物(主にピーナッツバター)とか恋とか愛とか人間が考える死とか、それぞれの人間が考える生きることを、ビルやスーザンらと関わっていく内に知っていき、やがては愛に目覚め心を揺すぶられる…。この過程と、結論がものすごく響いたなぁ。人間世界が初めてのジョーブラックはちょっぴり面白おかしくて、コメディチックなシーンが多い。しかし、肝心なラブロマンスやシリアスな場面はしっかりキメてくるから敵わんわ…。塩梅がとにかく完璧だった。また、それら全ての要素に、ビルとの"他人に正体を絶対に明かさない"という約束が効いて来るからいいよね。

「去りがたい それが生だ」

橋を渡っていく2人。そして戻ってくる1人。現実世界とあの世を行き来する表現に、あの橋はピッタリの場所選びだった。
そして、それぞれを祝うかのように、迎える・送り出すあの煌びやかな花火が、一度に多くの意味を持たせた表現になっていて、ラストまでパーフェクトな映画だった。

それと案の定、映画あるあるの緊張と緩和で車に轢かれてて草。
ダンクシー

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