これ、大体の人が鑑賞後まず思うことが「杉咲花すごかった…」なんじゃないかな。
『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー最優秀助演女優賞を受賞した時も「すごく良かった」と思ったけど、今回はこんな難易度の高い役を見事に演じ切っていて、すっかり魅了されてしまった。
存在感があるようで無い、あの絶妙な雰囲気はどうやって出しているの？
高校生役を演じていてもコスプレ感を感じないし、ちょっとしたセリフがすごく自然体で演技に思えなかった。
ただこの映画で良かった点は、彼女を支える周りの俳優陣の演技も、引けを取らずに良かったこと。恋人役の若葉竜也さんもよかったし、母親役の中村ゆりさんも良かった！
市子とはなんなんだ！？という疑問を抱えたまま、一緒に市子の正体を見つけていく構成も、一種のミステリーのような感覚で面白かった。
ネタバレ無しで見て欲しいので、なかなかレビューも難しいのだけど、市子をただのありきたりな悲劇のヒロインとして描くでも無く、守られるだけの女として描くのでも無いのがいい。
むしろ怖さや不気味さが滲み出てくるから、鑑賞後の余韻がすごかった。
2023年ラストにとてもインパクトある映画を見ることができて良かった！
