このレビューはネタバレを含みます
普通の幸せの何たる難しきことか。この映画ではそれを学んだ様に感じた。
市子のこれまでの人生には影が差していた。無戸籍であること、性的虐待、殺人などから普通の幸せへの強い憧れと、それらが手に入らないだろうし、手に入れては行けないという無自覚な諦観に苛まれて過ごしていた様に思える。
市子はどうすれば幸せになったのだろう。月子、母の交際相手、ストーカー、自殺志願者。計4人を殺し戸籍を手に入れたがまだ普通の幸せには届かない。
罪悪感はより重く募るだろう。戸籍が手に入ったが、これでは意味がない。ではどこで踏みとどまれば良かったのか。
きっと答えがないからこの映画には救いがないのだろう。