あゆころ

市子のあゆころのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
3.7
いやもうこれ、杉咲花の名演技というか、怪演というか。

市子の、薄幸そうで、ミステリアスで、どこか色気があって、可哀想で、可愛くて、手を差し伸べてあげたくなってしまう存在感。そして関わった人を狂わせていく。
この演技、杉咲花にしかできないなと思った。

悲しくて、それでいてものすごく恐ろしい女、市子。
人生を諦めているようで、とんでもなく生に貪欲。
他人を寄せ付けないようでいて、でも手を差し伸べる男の手はすんなりと取る。
そして、裏切る時は、躊躇なく裏切る。

あまりに生まれ育った環境が過酷すぎた。
幸せになって欲しいと思いつつ、
絶対に関わりたくないなとも思う。

いやなんか、すごいもの見たな。
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