主人公の春は人の懐に入り込むのが上手く、人と人の橋渡しも出来るし、素敵な書店で働いていて、カルチャースクールにも通っており、側からは充実しているように見える。
だけれど、実際は心の中に抱えている孤独を持て余している…という描写に、器用に生きているように見える人の方が本当は生きづらいのではないかと思わされて救われた。私はあんな風に人に声をかけられないし、喫茶店で話しかけられても気軽に会話とか絶対できないので。
杉田監督の作品は観るたびに、どうやったらこういう作風に辿り着くのか不思議に感じる。身近な人を亡くしていないとこういう映画は撮れないような気もするし…
