kalinda

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのkalindaのレビュー・感想・評価

4.0
クスッと笑えて
心がじんわりあたたまる

1970年の雰囲気を
フィルムのような映像が
より一層引き立てている
あぁ、これは私が好きな感じやな
オープニングから確信した

それぞれに事情があって
クリスマス休暇には帰らず
その中でも“帰るところがない“
3人のお話

帰るところがない…
私も帰るところが無いから
帰るところがある人はいいな…と
思っていた時期もあった
心がチクッとする感じ
誰しもが幸せに過ごせるクリスマス…
ほんまはそれが良いんやけどね


ハイム(ポール・ジアマッティ)は
生徒にも同僚にも偏屈教師に思われてるし
タリー(ドミニク・セッサ)も
問題あり生徒のように扱われている
その2人をちょっと引いた視点から見ている
メアリー(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)
にも事情がある

今では表現が難しいような
差別的な言葉もちょくちょく出てくるけれど
ハイムやタリー、メアリーは
そんなことはしないし言わない
人として分け隔てなく誰とでも
フラットに接する姿は 
孤独や悲しみを知っている
心が優しい人やから

相手のことを思い考える
思いやり、優しさ
この作品にはたくさん詰まっていた

クスッと、イラっと
ジーンとするところもある
うん、良いね

劇伴も良い曲ばかり

パーティーでメアリーにプレゼントを渡す
同僚さんのちょっとしたセリフ、
後半、廊下でのタリーとメアリーの
優しいひとコマ
好きやな


タリーを演じたドミニク・セッサ
この作品が初映像作品らしい
凄いわ…
たまに見せる子供のような表情が
彼そのものなのか
わからへんくらいに上手
これからが楽しみな俳優さん


説明的なセリフは無く
ナチュラルに大切なことをサラッと
素敵な言葉もサラッと言うてはる
この匙加減が絶妙に心地良い


家族やなくても
大切に思ってくれる人がいる
幸せなことやね

良かったー
鑑賞後笑顔になりきっとそう感じるはず

幸せな気持ちになる優しい作品です

クリスマスに是非


梅雨の蒸し暑い日も良いけど
冬に観たらもっと素敵やったかな 笑
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