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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

4.2
ハマれる人はどっぷりハマれるアレクサンダー・ペイン監督作品。評判の悪かった同監督の『ダウンサイズ』も結構面白かったくらいアレクサンダー・ペインの映画は好きでして、今作も面白さは担保されていると思い予備知識ゼロで鑑賞しました。
まず、同監督の映画『サイドウェイ』で主演だったポール・ジアマッティが主演でテンション上がる。「なんかすんげえ老けたな。ひょっとして他人の空似か?」とも思いましたが、鑑賞後ググるとやっぱりそうでした。現在57歳(2024年現在)。思ったほど歳でもない。コーカソイド(白色人種群)は見た目が老け易いというのは信憑性がある。他にも色々ググると、価値観がいまいち合わないアカデミー賞ではいくつかの部門でノミネートされていたようです。
なんと作品賞にノミネート。『オッペンハイマー』が受賞。はい!本作の方が面白かった!次、主演男優賞、『オッペンハイマー』が受賞。はい!本作のポール・ジアマッティの方が人間味があって良かった。助演女優賞、本作のダヴァイン・ジョイ・ランドルフが受賞。そりゃそうだ!おめでとう!脚本賞は『落下の解剖学』が受賞。お、おう…まあまあ良い勝負か…。編集賞、『オッペンハイマー』が受賞。ぐぬっ…まあしゃあないか…。という事で5部門、結構ノミネートされてたんですね〜。どうりでお客さんも多いはずです。
しっかり観たい映画は、自分の中のベストシートをネットで購入してるのですが、上映館が少ないせいか本作はなかなかベストシートが取れませんでした。痺れを切らして日付が変わった瞬間にチケット購入を試みたのですが、みんなすげー早えーの。とりあえず妥協。平日の午前中に映画館へ行ってみると、年齢がお高めのお客さん(自分も含む)がいっぱいでした。しかも皆さん本作目当てでした。やっぱ人気ありますね。
アレクサンダー・ペインの映画は、感情移入するにはある程度の人生経験が必要かと思いますが、ハマるとその感性が病みつきになります。日常的な問題や出来事をユーモアのあるセリフと演技で、コメディなんだけどリアルにみせてくれる。登場人物はみんな不完全(人間らしい)で滑稽で、時に馬鹿げた言動をとるけど何処か憎めなかったり、毒舌や悪態をついても人間的な温かみを感じたり、そういう所がアレクサンダー・ペイン監督作品の魅力なのだろうと思います。今作でも“らしさ”が全開でした。あまり大爆笑とはならないかもしれないが誰でも顔がゆるむと思う。館内ではみんなクスクス笑いしてました。
ということで、『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』は好きな人なら大満足!上映館が少ないですけど頑張って鑑賞した方が良いですし、もし配信でもされたら絶対観てほしい映画でした。(ちなみにDisney+では『サイドウェイ』と『ファミリー・ツリー』が配信されてました。未鑑賞の方はこちらも是非。)
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