きいち

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのきいちのレビュー・感想・評価

3.9
ホールドオーバーズ置いてけぼりのホリデイを鑑賞

気難しく融通の効かない先生と、聡明だが問題児の生徒、子供を亡くしたばかりの給食長メアリー、3人はクリスマスと新年を寄宿学校で過ごす事になった。
最初はギクシャクしていた3人だが、時間と共に理解していくのだがって話。

3人とも共通しているのは孤独を抱えているって事なんだよね。
ポール(先生)とアンガス(生徒)が心を通わせていく描写が丁寧で暖かくて心地よい。
微笑ましくて、ニコニコしてしまう。
メアリーが2人の潤滑油的存在でありがたい。

遠足と思えば良いかってところからほっこりが止まらない。
父親との再会が思ったようにいかなかったアンガスを、力付けるポールのシーンが良かった。

ラストシーンが印象的。
最後の力強い握手、ハグじゃなくて握手。
2人の友達のような、親子のような、師弟関係のような、でも結局は先生と生徒という、絶妙な距離感が素敵だ。
アンガスのこの休暇の出来事は、これからの人生の中で、思い出すたびに暖かくなるような心の灯火になってくれる事は間違い無い。
ポールもアンガスを自分に先生としての誇りを取り戻してくれた生徒として忘れないだろう。

舞台となった1970年台のファッションや背景美術、音楽も懐かしさを感じて味わい深く、この作品の魅力の一つだろう。
ちょうどクリスマスから冬休みに向けてと舞台は同じ時期。
冬休みに見るのに最適だと思われます。

良い映画でした。

今年もこれでレビューは終わり。
フィルマークスを始めてから自分の映画ライフは確実に充実してきました。
関わってくれた全ての人々に感謝をしております。
今年はありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
きいち

きいち